安国寺(綾部市)概要: 景徳山安国寺は京都府綾部市安国寺町寺ノ段に境内を構えている臨済宗東福寺派の寺院です。安国寺の創建は正暦4年(993)、地蔵菩薩像を安置し光福寺としたのが始まりと伝えられています。
建長4年(1252)、勧修寺重房(後の上杉氏)が上杉荘の領主になると菩提寺とした為、寺運が隆盛し、さらに足利尊氏の母親である清子が上杉家の出身だった為、足利氏からも庇護されます。特に暦応元年(1338)に元弘の乱などで戦死した霊英を慰める為、全国に一宇ずつ設けた安国寺の筆頭に定められると、尊氏は康永元年(1345)に南禅寺の天庵妙受禅師を招き多くの寺領の寄進が行われました。
室町将軍家の庇護もあり最盛期には塔頭16、支院28を擁する大寺となり大きな影響力を持ちましたが将軍家が衰退すると衰微し江戸時代中期には多くの寺領が削減され境内の規模も縮小しました。享保20年(1735)には山津波により境内が大きな被害を受けましたが寛保3年(1743)には仏殿などの諸堂が再建されその多くが京都府指定文化財に指定されています。
安国寺仏殿は木造平屋建て、入母屋、平入、茅葺、桁行5間、梁間5間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、左右には花頭窓付、内部に安置されている木造釈迦如来及両脇侍坐像と木造地蔵菩薩半跏像が国指定重要文化財に指定されています。境内には尊氏の産湯として利用した産湯の井戸や尊氏、母の清子、妻の登子の墓と伝わる宝篋印塔などの史跡が点在しています。山号:景徳山。宗派:臨済宗東福寺派。本尊:釈迦三尊坐像。
安国寺の文化財
・ 木造釈迦如来及両脇侍坐像(3躯)−南北朝時代−国指定重要文化財
・ 木造地蔵菩薩半跏像−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 絹本墨書天庵和尚入寺山門疏−南北朝時代−国指定重要文化財
・ 安国寺文書(74通)−鎌倉〜安土桃山時代−国指定重要文化財
・ 安国寺仏殿−寛保3年−京都府指定文化財
・ 安国寺方丈−寛保3年−京都府指定文化財
・ 安国寺庫裏−寛保3年−京都府指定文化財
・ 安国寺山門−天保14年−京都府登録文化財
・ 安国寺鐘楼−寛保3年−京都府登録文化財
・ 絹本著色天庵妙受像(3幅)−南北朝時代−京都府登録文化財
・ 宝篋印塔(3基)−南北朝時代−綾部市指定文化財
安国寺:上空画像
【 参考:サイト 】
・ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-綾部の文化財を守る会・安国寺
・ 現地案内板(宝篋印塔)-綾部市教育委員会
・ 現地案内板(山門)-綾部市教育委員会
・ 現地案内板(産湯の井戸)-綾部市教育委員会
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